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１０年間−−−ただ、たたずんでいた−−−
どうやらわたしは、最初の交差点を、間違った方角に曲がったらしい
でも、この時点では間違いに気づき、すぐに引き返すことも出来ただろう。
なのに、そのまま、軽はずみに進んでしまった。
”迷子”になってしまった

ナルキッソスシリーズ最新作である『ナルキッソス すみれ』はまたもやキャラクター達の個人的な過去を深くまで掘り下げて回想していく生死の物語です。
これは生きて行く中での過去の失敗に対して深い後悔を抱いている二人のヒロインの人生の旅を描いた物語。

外との交流を拒み家に引きこもってこの１０年間ただビデオゲームをし続けていた若い女性、すみれ。ビデオゲーム漬けで10年が経過したでそんなある日彼女は病気にかかり七階ホスピスに送られてしまう。迫り来る死に直面したすみれは、特に意味のある思い出もなく、何も達成したこともないまま、そして何も残すこともないままこの世を去ることになることになるのだと気づく。

そして誤解と状況の悲劇的な連鎖の結果独り病院で１０年間を過ごした同じく若い女性、あかり。過去の出来事についての後悔の嵐に苛まれ、「目の閉じられた世界」の中でのみ生きることと眠ること−−−永遠に−−−を切望している。

しかしそんなある日二人の魂は出逢い彼女達の旅は始まる−−−