植物に囲まれて暮らす女性と、地球を侵略にやってきたムシ型エイリアンの出会いとロマンスを描いた短編・レズビアン・ビジュアルノベル。お話は短いぶんシンプルだが、ちょっとした立ち絵のアニメーション、豊富なCG、ユーモアたっぷりのテキストがすごくゴージャスだ。居心地のいいお茶会のように華やかで、キュートで、ハッピーな一作。超ゲイ！

【日本語あり】『The Cosmic Wheel Sisterhood』などのDeconstructeamによる「夢と重圧と期待をテーマに描く、インタラクティブな短編エッセイ」。多彩な人々の願い、世界の形までも変えてしまう強力な儀式、その成否を決める一度きりのショット……これらによるプレイヤーへの問いかけは Deconstructeam哲学を完全に体現している。クィアな人々がしっかり出てくる。

【日本語あり】2009年発売の伝説的アクションゲームの移植版。4丁銃を交えた格闘術を使う魔女となり、天使どもをブチのめす。主人公ベヨネッタがとにかくセクシーで、男性向けの性的さというよりも、「キャンプ」でゲイ的なカッコよさだ。実際のデザインの意図はわからないが、彼女とゲームは英語圏のクィアコミュニティのなかでとても人気があり、クィアリーディングも盛んである。

【日本語あり】映画配給で知られるブラムハウスのゲームパブリッシング参入第一弾作品。アジア系の図書室少女のヴィヴィアンが降霊術の結果消えてしまった親友のゴスガール・エイミーを救出するために異界と化した学校を探索する。権威者によるコントロール、家族のトラウマ、少女ふたりのロマンスを題材にした恐ろしくも爽やかなクィア・ジュブナイル・ホラー。クィアホラーや「ライフイズストレンジ」のファンにオススメ。

【日本語あり】日本の個人開発者・おいし水によるアドベンチャーゲーム。永遠のファミレス「ムーンパレス」に奇妙な先客たちと共に閉じ込められたプレイヤーキャラが永遠の時からの脱出を目指す。かなりハッキリとクィアな女性たちの話をやっている。女性やクィアネスへの目線に気持ち悪さを感じたりも全くないので気持ちよく楽しむことができる。開発者自らによる音楽も素晴らしい。国産クィアSFとしてオススメ。

【開発中】『 Thirsty Suitors』開発陣による気候正義デッキビルダー。弁護士としてカードを操り、仲間を増やし、地球を破壊する国際大企業の重役を裁判で打ち負かすのだ。

【日本語あり】失恋の後に故郷へ帰ってきたインド系移民2世の主人公が学生時代の元恋人たちと戦うRPG。アジア系移民ルーツのクィアたちが山ほど出てきて、クィアのロマンスや移民1世・2世の世代間ギャップの話が山ほどされる。洗練が足りない部分もあるが、ハチャメチャにゲイな雰囲気はかなり気持ちいい。スケートカルチャーとクィアの関係が描かれるのも楽しい。中年レズビアンの叔母さんがかなりステキキャラだ。

25世紀、酸性雨が降りしきる街のなかの、ある家を舞台にしたサイバーパンク・サイコ・ホラー。記憶喪失の状態で目覚めた青年ヘイズ(they/them)として、他人の記憶を再生する機器を使って家に隠された謎と過去を暴いていく。ボディホラー的な表現が多く、起きている出来事も悲惨だが、それと同時にトランスジェンダーやクィアであることを祝福する表現にも満ちている。素晴らしい雰囲気のクィアホラーなのだ。

【日本語あり】所有者の寿命を1分限りにする呪われた剣を拾ってしまったプレイヤーが、呪いから開放されるために1分間の冒険に出る。ユニークな設定・システムのかわいいゼルダ風アクションRPG……という感じの見た目だが、実際はかなり資本主義・大量生産・効率的なものを批判している……気がする。ミヒャエル・エンデの『モモ』のようなストーリーをやっているのだ！2時間程度でクリアできる快作短編。

【日本語あり】トラウマ的経験で声を失った女性が成長して立ち直っていくパズルプラットフォーマー。とにかくビジュアルが良くて、非凡なアートがふつうのプラットフォーマーをふつうでなくしている。実際のプレイではストアページでの印象以上に多彩な景色を見ることができる。ストーリーはぼんやりしていて、クィアネスやフェミニズム的なテーマの探求は特にないが、安心してプレイできるゲームであることは間違いない。